【建設業】法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況

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建設業界では国道交通省が主体となり、社会保険への加入対策を行っております。

社会保険の加入対策の一環として、「法定福利費を内訳明示した見積書」の導入も推進しており、このたび国土交通省より「法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況等に関する調査(H28年度)」が平成29年2月29日に公表されました。(国土交通省HP)

今回は上記の調査結果を見ながら「法定福利費を内訳明示した見積書」の活用状況について解説していきたいと思います。

見積書の活用状況等に関する調査の概要

【調査対象】

社会保険未加入対策推進協議会に参加する建設業者団体(計74団体)に所属する会員企業 (回答数:約3,100件)

【調査期間】

平成28年12月14日(水)~平成29年1月17日(火)

【主な設問項目】

○社会保険等加入状況の確認・指導の状況

○法定福利費を内訳明示した見積書への対応

○法定福利費を内訳明示した見積書の注文者への提出有無 等

見積書に関する下請企業の指導の状況

「法定福利費を内訳明示した見積書」を下請企業に対して提出するように指導しているかについて調査した結果、全ての下請契約について法定福利費を内訳明示した又は内訳明示しないが総額に含んだ見積書を提出するように指導しているという元請企業は62.7%(平成28年)という調査結果がでました。

平成26年からの推移を見ると平成26年(40.1%)⇒平成27年(54.9%)⇒平成28年(62.7%)と年々下請企業に対して法定福利費を内訳明示又は見積総額に含めるように指導している企業が増えていることがわかります。

元請企業側の認識が年々増加しているので、下請側としては「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出しやすい状況が徐々に出来てきているといえるでしょう。

下請企業による見積書の提出の状況

請負工事全体の内、5割以上の工事について「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出している下請企業は57.9%(平成28年)という調査結果がでました。

平成26年からの推移を見ると平成26年(31.7%)⇒平成27年(44.5%)⇒平成28年(57.9%)と年々「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出している下請企業が増えていることが分かります。

年々増加しているとはいえ、「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出していない下請企業は約3割ほどいる状況です。

下請企業が「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出しない理由

見積書の提出状況の調査によると、「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出しない下請企業が約3割ほどいるということが分かりました。

それでは、なぜ「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出しないのかということについても下請企業に対して調査が行われています。

以下、回答数が多い順に記載していきます。

・注文者から提出するように指示がなかったから

・注文者が総額しか見ないなど、提出しても意味がないと思ったから

・公共工事でないから(民間工事だから)

・同業他社が提出していないから

・受注競争上不利になるから

やはり、下請側としては立場上、法定福利費分について元請側に強く主張できず、元請側の意向を確認しながら見積書を提出しなくてはならないため、最終的には法定福利費を含んだ見積書が提出できないという結果につながってしまうのでしょう。

提出された見積書に対する元請企業の反応

では、下請企業から提出された「法定福利費を内訳明示した見積書」に対する元請企業の反応はどうでしょか。

以下、元請企業の反応について回答割合が高い順に記載していきます。

・内訳明示した法定福利費を含む見積金額全額を支払われる契約となった

・見積総額は減額されたが、法定福利費分は減額されない契約となった

・法定福利費の一部を含めて減額された契約となった

・内訳明示された法定福利費の一部のみ減額して支払われる契約となった

・法定福利費の請求は認められない契約となった

・受け取ってもらえなかった又は受け取ってもらえたが無視された

法定福利費分について承認している元請企業も多くいますが、中には法定福利費分について承認しないという元請企業もいるようです。

下請側からすると、「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出したとしても、必ずしも元請側から承認されるわけではないという点に留意しておくべきでしょう。

最後に

国土交通省が主体となり、「法定福利費を内訳明示した見積書」の導入を推進した結果、年々元請企業と下請企業の間で法定福利費を含んだ見積を行うことが浸透してきており、「法定福利費を内訳明示した見積書」を提出している下請企業が増えてきています。

しかしながら、元請の力が強い場合や民間工事では「法定福利費を内訳明示した見積書」の提出ができない状況がまだまだあると思うので、今後の対策に期待したいと思います。

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