都内在住者の私立学費負担制度と住民税所得割の関係

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平成29年度より都内在住者の私立の学費負担制度が改正され、授業料軽減助成金が拡充されることが決定されました。

上記の改正について「私立の学費実質無償化」というキーワードで知った方も多いのではないでしょうか。

今回は平成29年度より授業料軽減助成金が拡充されることになった私立の学費負担制度と助成金の審査基準となる住民税所得割の関係について解説していきたいと思います。

私立の学費負担制度とは

私立の学費負担制度とは、その名の通り授業料の負担を軽減できるように助成金を支給する制度のことです。

私立の学費負担制度には「国の助成」と「都の助成」の2種類あり、それぞれ助成金の支給額が異なります。

住民税所得割との関係

「国の助成」と「都の助成」いずれも誰でも助成金を受けることができるわけではなく、助成金を申請する際には審査が行われます。

「国の助成」と「都の助成」いずれも住民税の所得割を基準に審査が行われます。

すなわち、私立の学費負担制度は住民税の所得割の金額により助成を受けられるかどうか、また、どのくらい助成を受けることができるのかが決まるという関係があります。

なお、住民税の所得割には都内在住者の場合「区民税」と「都民税」の2種類ありますが、助成金の審査の基準となるのは、住民税の所得割のうち「区民税」の金額です。(下記画像の赤枠で囲んでいる部分)

それでは、下記で「国の助成」と「都の助成」の審査基準も含め、それぞれの制度の概要を解説していきたいと思います。

国の助成(就学支援金)の概要

「国の助成」は、私立学校等に通う生徒が安心して勉学に打ち込めるよう、授業料の一部に充てる費用として「高等学校等就学支援金」を国が学校に支払い、家庭の教育費負担を軽減する制度です。

申請時期

1年生は4月と6月頃(年2回)、2・3年生は6月頃(年1回)に申請を行う必要があり、毎年度申請が必要になります。

申請手続き等については、在学校を通じてお知らがきます。

対象者

「国の助成」の対象者は全国の私立の「高等学校」「特別支援学校(高等部)」「高等専門学校(1~3年)」「専修学校(高等課程)」に在学する生徒です。

助成額

助成額は上記で説明した通り、住民税の所得割額が審査基準となり、住民税の所得割の金額に応じて段階的に助成額が変わってきます。

下記が住民税の所得割に応じた助成額(年額)となります。(※単位制の学校は助成額が異なりますのでご注意ください。)

なお、それぞれカッコ書きで記載した金額は、給与収入のみの4人世帯(夫婦と子供2人)のケースの大体の年収の金額です。住民税の所得割といわれてもピンとこないという方のために併せて記載しておきます。

生活保護世帯、住民税が非課税の世帯、住民税が均等割のみの世帯(年収約250万円未満)

助成額297,000円

住民税(区民税)の所得割51,300円(年額)未満の世帯(年収約250万円~約350万円未満)

助成額237,600円

住民税(区民税)の所得割154,500円(年額)未満の世帯(年収約350万円~約590万円未満)

助成額178,200円

住民税(区民税)の所得割304,200円(年額)未満の世帯(年収約590万円~約910万円未満)

助成額118,800円

都の助成(授業料軽減助成金)の概要

「都の助成」は、私立高等学校(通信制課程を除く)等に通う生徒の保護者の方の経済的負担を軽減するために、都が授業料の一部を助成する制度です。

申請時期

6~7月頃に申請を行う必要があり、毎年度申請が必要になります。

申請手続き等については、毎年6月頃に在学校を通じてお知らがきます。

対象者

生徒と保護者が都内にお住まいで、私立の「高等学校(通信制課程を除く)」「特別支援学校(高等部)」「高等専門学校(1~3年)」等に在学する生徒です。

「国の助成」は全国共通の助成制度ですが、「都の助成」は東京都に在住している方のみが対象となります。

なお、東京都に在住していれば、東京都以外の私立学校に通う場合でも「都の助成」を利用することができます。

助成額

助成額は上記で説明した通り、住民税の所得割額が審査基準となり、住民税の所得割の金額に応じて段階的に助成額が変わってきます。

下記が住民税の所得割に応じた助成額(年額)となります。

なお、それぞれカッコ書きで記載した金額は、給与収入のみの4人世帯(夫婦と子供2人)のケースの大体の年収の金額です。住民税の所得割といわれてもピンとこないという方のために併せて記載しておきます。

生活保護世帯、住民税が非課税の世帯、住民税が均等割のみの世帯(年収約250万円未満)

助成額145,000円

住民税(区民税)の所得割51,300円(年額)未満の世帯(年収約250万円~約350万円未満)

助成額204,400円

住民税(区民税)の所得割154,500円(年額)未満の世帯(年収約350万円~約590万円未満)

助成額263,800円

住民税が一定基準以下の世帯(年収約590万円~約760万円未満)

助成額323,200円

※住民税(区民税)が154,500円以上の世帯については、区民税以外に都民税や扶養の人数等も審査基準となるため、詳細な基準については別途確認してください。

「国の助成」と「都の助成」で学費は無償になる?

それでは今回の改正により私立の学費は実質無償になったのでしょうか?

下記は「国の助成」と「都の助成」の2つを併用した場合の助成金総額です。

生活保護世帯、住民税が非課税の世帯、住民税が均等割のみの世帯(年収約250万円未満)

助成額442,000円(国297,000円+都145,000円)

住民税(区民税)の所得割51,300円(年額)未満の世帯(年収約250万円~約350万円未満)

助成額442,000円(国237,600円+都204,400円)

住民税(区民税)の所得割154,500円(年額)未満の世帯(年収約350万円~約590万円未満)

助成額442,000円(国178,200円+都263,800円)

住民税が一定基準以下の世帯(年収約590万円~約760万円未満)

助成額442,000円(国118,800円+都323,200円)

「国の助成」は所得が増加するほど助成額は少なくなっていきますが、「都の助成」は所得が増加するほど一定の基準までは助成額が大きくなっていく構造となっております。

上記の「国の助成」と「都の助成」の助成総額からわかる通り、「国の助成」と「都の助成」は合計すると442,000円となります。

この442,000円という金額は何を意味しているのかというと、この金額は私立の年間平均学費を意味しております。

すなわち、「国の助成」と「都の助成」を受けることで、学費を実質無償にすることができます。これが「私立の学費無償化」といわれている所以です。

私立の学費無償化の留意点

上記で「国の助成」と「都の助成」を受けることで私立の学費を実質無償化することができるとお伝えしましたが、この制度を受ける前に以下のような点に留意する必要があります。

私立の学費は学校により違う

上記で私立の年間の平均学費は442,000円ということをお伝えしましたが、私立の学費というのは学校により違ってきます。

年間の学費が助成総額である442,000円を超える場合には、超えた金額は負担する義務があるため、学費が全額無償になるわけではないという点に留意しましょう。

学費が442,000円より安い場合

学費が「国の助成」と「都の助成」の合計額である442,000円より安い場合には、学費が助成額の上限となる点に留意しましょう。

学費が442,000円より安い場合には、442,000円全額助成を受けることができません。

私立は学費以外にも色々とお金がかかる

助成金で学費が実質無償になるといっても、部活動や課外活動といった学費以外の面で私立は公立にくらべ費用がかかります。

私立を選択肢に入れる方は、学費だけでなくそれ以外の費用も発生するという点に留意しましょう。

なお、「都の助成」として授業料以外の負担軽減のための「奨学給付金」という制度(最大年138,000円)もあるため、興味がある方は調べてみましょう。

最後に

今回は都内在住者の私立学費負担制度と住民税所得割の関係について解説しました。今まで学費の面で私立を選択肢から外していた方も、今回の助成制度の改正により、私立を選択肢に入れるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

助成を受ける際には、審査を受ける必要があり、上記で説明した通り審査の基準は住民税の所得割となるため、助成制度を利用する予定の方は、直近の住民税の通知書等を確認してみましょう。

なお、「国の助成」と「都の助成」の詳細な内容については下記で公表しております。

・「国の助成」(文部科学省HP)

・「都の助成」(東京都私学財団HP)

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